

【作曲・出演】フェスティバル/トーキョー20 参加作品 モモンガ・コンプレックス『わたしたちは、そろっている。』
モモンガ・コンプレックスの新作に音楽監督として関わらせていただいている。 ”ミュージカル的ダンス・パフォーマンス”。美術館を歩くような回遊型ダンスパフォーマンスであり、6時間の淡々とした日常ミュージカルでもある。 小屋入りして、まさに今回でしかありえないだろうセットが組まれた劇場内をゆっくりと歩いてみた。わたしたちはそれぞれの場所で生きている。見えない、会えない、互いに存在さえ知らないかもしれない人々の日常から発される雑然としたとりとめのない音。しかし私の立っている位置から耳に取り入れる時、なぜか壮大な地球のオペラに出会っているように感じられた。自然とつながりを持っているような癒しのある音も、うまくいっていない「かたまり」や「ひっかかり」のような音も、みんな含んだ世界のざわめきだ。 歌でひとつになろうとなんかしなくても、ただただ人々から出ているこれらの振動は、すでにこの世界と誰かを取り巻く環境を作っている、そう感じさせてくれる。 音程を合わせよう、足並みを揃えよう、上手に歌おう、あるいはあえて人と違うことをしよう、とすることは、時々緊張した空気で